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「非営利型株式会社」の「シェアするココロ」

 シェアするココロは、会社のキャッチコピーとして「NPOみたいな株式会社」と謳っている。代表の石井氏自身、引きこもりやニートの若者を支援するNPO法人で10年間働いていたのだが、この業界では、NPO法人が行政の委託事業を受けて支援施設などを運営しているケースがほとんどであり、委託事業をいかにタイミングよく受託し続けられるかが経営の重点課題になり、本来の活動を持続していくことが難しくなってしまうと言う。
 そこで石井氏は、思い切ってこの業界で商売として成立するビジネモデルを確立し、自主事業として持続性のあるサービスを提供していけるようになろうと決心。その際に、収益を可能な限り若者へのサービスに充てられるようにするため、社の定款を非分配型の「非営利株式会社」になるようにしてある。つまり、NPOの精神を持ちながらも、しっかり持続できる形態としての株式会社という意味を込めているのだ。
 「儲かる業界じゃないのでこういうことを言ってられるというのもあるんですけどね」と苦笑する石井氏だが、日本の社会の中でこうした会社のあり方が共感を受けられる下地はすでに出来つつあるのではないかと思う。

「シェアするココロ」のミッション

 シェアするココロは、大きく4つの事業を行なっている。
 まず、キャリア形成支援事業。高校生へのキャリア教育をはじめ、様々なセミナープログラムを開発。若者サポートステーションでの「アルバイト活動セミナー」や、中高年を対象としたキャリアセミナー、「神奈川県教職員のための夏期講習講師」なども務めている。
 情報支援事業。「若者の働く・学ぶをみんなで創る」をコンセプトに、若者の声や支援現場の情報を伝える就労支援ウェブサイトとして2009年7月20日にオープン。横浜市が行う若者雇用促進事業「よこはまユースニューデール」の一環として、横浜市こども青少年局からの委託を受て制作運営している。
 コロ・デザイン室。「全てのモノにデザインを」そして「手触りの質感を創り出す」をモットーに、ウェブサイト、ロゴ、チラシ、ポスター、名刺など各種デザインを行っている。
 相談事業。引きこもりやニートだけではなく、全ての若者が社会的弱者になり誰もが通ってきた”正規のルート“で自立することが困難になっている現在、「若者と家族、教える人と支える人が笑顔で暮らせる社会創り」をミッションに掲げ、困難を抱える若者とその家族たち、教師と支援者がイキイキと仕事ができるよう相談支援。目の前の困難を解決するだけではなく、社会の制度や構造変革へもコミットしていくことを目指している。

株式会社シェアするココロ

  近年のベンチャー企業には個性的な社名が多いが、とりわけユニークなこの会社名にはどんな“ココロ”が込められているのだろうか? 代表の石井正宏氏によれば、
 「自分たちのスキルやノウハウを社会に“おすそわけ”したいという気持ちと、課題意識を共有することで支援者同士がつながっていこうよ、という意味が込められてるんです。」
 横浜市で2009年に生まれた「株式会社シェアするココロ(略称「シェアコロ」)」は、引きこもりやニートなどの若者とその家族に対しての情報提供のため、「Hamatorium Cafe/ハマトリアム・カフェ」という若者の雇用と自立を応援するウェブサイトを、横浜市こども青少年局からの委託事業として運営。 また、公立高校の就職希望生徒に対するキャリアガイダンスや講演を通じて、進路未決定で学校を卒業することのリスクの高さを教えている。学校の先生を対象としたセミナー事業にも取り組んでいる。
 こうした事業内容を聞くと、会社と言うよりNPOのようだが、その通り。「シェアコロ」はNPOの精神を持ちながら、しっかり持続できる形態としての「非営利型株式会社」を目指しているのだ。